中学1年 社会 歴史
年代測定について
古い時代の出来事や社会、生活や意識が「いつ」起こったことなのかを調べることは、歴史において重要なことですが、とても難しいことです。
歴史の証拠の多くは地中から層になって発見されます。その中に文字が書かれている資料が残ってる場合は、年代を確定しやすくなります。
文字資料が残されている時代を歴史時代、それ以前の時代を先史時代(せんしじだい)といいます。
このぺージでは、先史時代の出土したものの年代を測定する4つの代表的な方法について学びます。
層位法(そういほう)
- 出土する物は下の地層から出土する物のほうが古いという原則があります。
- この原則に従って、確実な年代がわかっている遺物との比較から行います。
- 上の図の断面をよく見ると、しましまになっています。この「しま」のことを層(そう)といいます。
- 地面は時がたつにつれて砂や塵やほこりが雨や風や地殻(ちかく)の変動で積み重なっていきます。
- このことから、地層の下に行けば行くほど古い時代のものが出土される可能性が高くなります。
- また、層の位置によって、どの年代の層なのかある程度、わかるようになっています。
- 年輪年代学(ねんりんねんだいがく)
- 木の年輪から、地域の気候の変化を調べる方法です。
- 放射性炭素(C14)年代測定法(ほうしゃせいたんそねんだいそくていほう)
- 生物は炭素(たんそ)という物質を持っています。
- 生物の中の炭素には死後、時間が経つと他の物質に変わってしまう放射性(ほうしゃせい)の炭素と時間が経っても変わらない非放射性(ひほうしゃせい)炭素があります。
- 放射性炭素は記号でC14と表します。非放射性炭素にはC12とC13があります。
- 生き物の放射性炭素と非放射性炭素の比率は一定で、大気中のC14によって一定です。
- 放射性炭素はその生物の死後、時間が経つにつれて他の物質に変化しますが、その速さは最初の半分の量になるのは5730年と決まっています。
- もともとその生物がもつ放射性炭素の量は実年代がわかっている出土した生き物の放射性炭素の量を基準にします。
- この放射性炭素の性質を利用して、出土した骨や炭化した木や食物のC14の量を測定してC14の量の減り具合を調べれば、死後何年経っているのかがわかります。
- たとえば、出土した骨の放射性炭素の量が、もともとその生物がもつ量の半分になっていれば、その生物の死後5730年経っていることがわかるので、5730年前に死んだものとわかるのです。
- 一時、古い時代になるほど誤差が大きくなるとされていましたが、最近では宇宙線の変動による狂いを補正する方法が開発されて正確さが増しています。
- 熱ルミネッセンス法
- 土器などに500℃で熱して、そこから出る蛍光(放射線)を測定して年代を測定する方法です。
- 生き物以外で特に土器の年代測定に用いられます。
- 放射線はもともと宇宙から降り注いでいたり、大地からも自然に出ています。
- 年代によって自然放射線を浴びている量が違うので、その違いを調べて年代を測定します。
- 年代測定の方法として他にも、氷河の堆積物(たいせきぶつ)によって測定する氷縞粘土法(ひょうこうねんどほう)、火成岩(かせいがん)のカリウム・アルゴンを分析する方法などがあります。